教育ローンと奨学金
学費などの教育費を家庭の収入の範囲で賄うのが難しいとなったときに、まず利用を考えるのは奨学金ではないでしょうか。奨学金は、勉強する意思があるにもかかわらず、経済的な理由で進学が難しい人を支援するための制度です。そのため、返済が必要な奨学金でも借りるのは子供自身で返済も卒業後に自分で行うのが基本となります。また、奨学金にもいくつもの種類がありますが、親の返済能力が審査される教育ローンと違い、収入などの基準に加えて成績に関する条件があるのも奨学金の特徴です。条件を満たしていない場合には奨学金を受けられませんので、教育ローンなどを検討する必要があります。
奨学金というと、なんとなく「学費を支援してもらえる」というイメージかもしれませんが、一般的には返済が必要な借金のひとつです。支援目的で行われるものですので、無利子もしくは低利子で借りることができ、返済も卒業後からのスタートになります。最もよく利用されているのが、日本学生支援機構(旧日本育英会)の行っている奨学金。親の所得や本人の学力に応じて「第一種奨学金」「第二種奨学金」を受けることができます。第一種奨学金は無利子なので、希望する人は多いのですが、そのぶん所得制限や学力の基準が厳しくなるため、必ずしも受けられるとは限りません。返済は卒業の6ヵ月後から始まり、最長20年以内に返済するように毎月の返済を行いますが、病気や災害などでどうしても返済が難しい場合には猶予措置を取ることも可能です。それ以外にも、新聞販売店での仕事をしながら奨学金を受ける新聞奨学会などもあります。新聞配達などの仕事をする必要はありますが、住み込みで食事も支給されるところも多いので、経済的にはかなり助けになる制度です。基本的には朝夕の新聞配達を行うため、時間的な拘束は多くなりますが、給与で学費の大半が賄われるため、よほど授業料の高い大学に通わない限りは卒業後に返済する必要はほとんどありません。仕事をすることで、学生生活だけでは得られない成長ができるのも、新聞奨学会のメリットだといえます。朝日奨学会、毎日奨学会など、新聞社ごとに行われている制度ですので、自分の進学する学校の学費や授業時間などを考慮しながら検討するのがよいでしょう。
あまり多くはありませんが、返済不要の奨学金というのもあります。その多くは大学が行っているもので、成績優秀者に対して与えられるものです。大学側が優秀な生徒を集めるという目的で授業料を負担しているものですから、もらうためにはかなりの努力が必要です。大学によって、入学試験の優秀者は4年間授業料を免除したり、各学年の優秀者に数万円〜数十万円の奨学金を授与するのなど、その制度はさまざまです。いずれにしても、勉学・人格ともに優れていると認められた生徒に贈られるのが一般的です。