国の教育ローン
教育ローンはさまざまな金融機関で扱われていますが、その中でも最も多く使われているのが国の教育ローンです。実際に貸し付けを行うのは日本政策金融公庫で、教育一般貸付と呼ばれる制度がいわゆる国の教育ローンになります。教育ローンの中でも最も多くの人に利用されており、国による教育ローンという安心感もあって高い人気を集めています。
国が行う教育一般貸し付けのメリットは、その安心感に加えて金利が低いということです。教育ローンは数百万円規模の借り入れになることが多いので、金利が1%違うと返済総額はかなり違ってきます。国の教育ローンは、平成24年5月の段階の金利で年2.65%と、民間の金融機関に比べてもかない低いクラスの金利になります。さらに、金利は固定のみなので、返済中の経済状態の変化によって金利が上昇するというリスクもありません。借入金額と毎月の返済金額にもよりますが、国の教育ローンは最長15年に渡って返済するローンですので、早々に返済できる見込みがある場合を除いては、固定金利を選んでおくのが無難でしょう。
借り入れ条件はそれほど厳しいというわけではなく、給与所得者の場合は世帯の年間所得が790万円以下。子供の数が増えるにしたがって所得制限も上昇するほか、この制限を満たさなくても条件によっては借り入れができる場合もあります。また、対象となる学校も幅広く、中学卒業後に通う学校であれば、高校、大学、専門学校などほとんどの学校が適用されるので心配はいりません。ただし幼稚園から中学校までの期間に通う学校は対象外ですので、幼稚園や小学校のお受験のために国の教育ローンを使うことはできません。
融資の上限は生徒1人につき300万円。学校に納付する授業料や入学金はもちろん、受験にかかった費用や、遠方に進学する場合は一人暮らしのための家賃、教科書代などの教材費、通学費用、修学旅行代なども適用されます。返済期間は15年ですが、在学中は利息のみの返済とする元金据え置き期間を設けることができるので、本格的に返済するのは卒業後にするのもよいでしょう。ただし、返済期間の15年は融資した日から数えるので、元金据え置き期間もその中に含まれます。
デメリットとしては、連帯保証人がいないと保証基金に加入する必要があり、その保証料がやや高いということです。返済期間や借入金額にもよりますが、15年かけて返済するとなると元金据え置き期間がなくても100万円あたりの保証料が101,713円、元金据え置き期間を4年設けた場合は100万円当たり142,398円も支払わなければなりません。最高枠である300万円を4年の元金据え置き期間を設けて15年かけて返済すると、427,194円も保証金を支払うことになるのです。教育ローンは、このような保証料などの諸費用も考慮に入れて比較することが大切です。